7「あの世とこの世がある理由」
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あの世とこの世がある理由
空を飛びながら、天国の世界を見物します。
あの世とこの世の仕組みについて、あめのもりみたまが教えてくれました。
この天国は、なんでも思ったことが叶う世界です。
誰も心に不安も心配もなく、苦しみも悲しみもありません。
苦難も困難もなく、満たされています。
その説明は、自分自身が体験しているし、みんな幸せそうに笑っているのが見えるのでよくわかります。
ものすごく満たされています。
その分、天国の住人は「学ぶ」のが非常に難しいのです。
素晴らしい世界であると同時に、「成長が遅い世界」でもあります。
そのため、地上の世界がつくられたのです。
地上には、苦しみも悲しみも苦難も困難も存在しています。
それが、人を急速に成長させるきっかけとなるからですね。
その時の自分には、あめのもりみたまの話は、ばかげた内容に聞こえました。
あんな、地上の世界のように苦しい目に合わせておいて成長するためと言われても、全く納得がいきません。
そんなのおかしい！
だいたい成長って、なんなんですか！
私は、その数年前にネパールやバングラデシュにボランティアで滞在したこともあって、貧富の差や、人の運命など、いろいろなことを悩んでいました。
だって、日本に生まれれば何不自由ない生活が当たり前ですが、ネパールやバングラデシュに生まれればそうはいきません。
それは、生まれる本人にはどうしようもないことです。
なかでも、「どうしてこの世には食物連鎖があるんだろう」ということです。
自分が生きていくためには、なにかの命を奪わなくてはいけないなんて、あんまりひどい話じゃないですか？
神様なんて信じてもいませんでしたが、神様がつくったんなら本当にひどい。
それは「神様」でなくて「悪魔」だと思いました。
当時、知り合いの尼さんに「食物連鎖があるのはなぜ？ どうして生きていくのにほかの命を奪わなければならないの？」と聞いたことさえありました。
そんなことを考えていると、次の言葉が胸に届きます。
食物連鎖があることを疑問に思っているんですね。
それはそうでしょう。
天国にはそんなものありません。
天国は、そんな苦しみは何一つありません。
さらにあめのもりみたまの話は続きます。
だからこそ地上の世界があります。
他の命を奪って生きることには大きな意味があるのです。
それは、植物なら食べてよくて動物ならダメだとか、牛ならよくてクジラはダメだとか、そういうことではありません。
自分が奪ったモノより、大きな価値を生み出せるかどうかということです。
それは、人が地上に生まれる理由でもあります。
成長とは何でしょうか。
それは、「奪ったもの以上の価値を生み出せるようになること」です。
その価値が大きければ大きいほど、成長したといえるのです。
価値ってなに？
価値とは「幸せ」です。
より大きな幸せを生めるようになることを、成長というのです。
天国では、常に幸せなので、幸せを生む必要がありません。
そのため、地上に生まれて、幸せでない環境でも幸せを生みだす方法を学ぶのです。
まずは、自分だけでも幸せでいることが大切ですし、できる人は、家族や友人など、身の回りの人を幸せにすること。
もっと優れた人は、世界中の人に幸せになる機会を与えています。
幸せってなに？
そんなの人それぞれ違うでしょ！
人それぞれ違う幸せというのは、「地上の人間の幸せ」ですね。
「心の幸せ」「天国の幸せ」は同じです。
それは、「感謝ができる」ということです。
「感謝ができること」が一番の幸せなんです。
感謝……
地上でこの話を聞いても、あまりピンと来ないかもしれませんが、天国では、絶えずどこからか自分にエネルギーが送られてくるような感覚があり、それに対する「ありがたい」という気持ちが溢れてきます。
そのことに意識を向けてしまうと、「ありがとうございます。ありがとうございます」と膝まづいて泣きたくなります。
だから、このあめのもりみたまの話は、このときの自分にはとても納得のいくものでした。
人間はね、この天国の世界から、より大きな幸せを生みだせるようになるために、何度も何度も地上に生まれ変わって学んでいるんですよ。
その時、その時で、しっかりとテーマを決めてね。
自分で生まれてくる「親」や「家庭」「環境」を選んでいるんです。
それは、自分が一番学びたいことが学べる環境です。
選べないのではなく、自分で一番最適な環境を選んでいるのです。
あなたは、そのテーマを何一つ果たさないまま今回の学びの機会を終えようとしたのです。
これは許されないこと。
本来なら、完全に地獄行きです。
ただ、今、私が話したことを、地上の人間に伝える覚悟があるのなら、すぐに帰って人生をやり直しなさい。
その時の私は、絶対に地上の世界には戻りたくないと思っていました。
その満たされた感覚は、ちょっと説明ができません。
宝くじで10億当たっても、あのように満たされた感覚にはならないでしょう。
もう、地上の世界のことなんかどうでもよくなります。
両親も、兄弟も、友人も、まったく未練はありません。
もちろん、これは天国に還ってすぐだからであり、慣れてしまうと地上のことにも関心が戻るようではあります。
とにかく、なんとか話をつないで、意地でも戻らないようにしようと思いました。
嫌です～！
帰りたくないですぅ！
あめのもりみたまは、はぁともう一つため息をつきました。
私がしつこいのをよく知っているようでした。
しょうがないなぁ。
全部詳しく説明してあげるから、理解したら帰るんですよ。
どうせ帰ったら忘れてしまうだろうけどね。
ポイント①：天国はすべてが満たされた世界
人は、より大きな幸せを生み出せるようになるために、自分で環境を選んで地上に何度も生まれ変わっている
ちょっと待ってもらっていいですか？
なにか？
感謝できたら幸せって言いますけど、そんなに簡単に感謝できたら苦労しねぇんすよ。
なんでやさぐれてんの？
上司とか、親とか、マジでムカつく時あるし、そういう時どうしたらいんですか！
……深呼吸。
はぁ？
……一拍おいて深呼吸。
ついでになんかおいしい和牛のステーキでもジュウジュウ焼いてるところ想像するとか？
……うまそう（よだれ）
いや、そんなんでうまくいきます？
まずやってみろって。
ほんで、自分に与えられているものをよく見る！
服、靴、かばん、スマホにパソコン、家、仕事、学校、環境。ないものばっかり見て不平不満言わずに、あるものに感謝する癖をつけること！
頭痛や腹痛のときを思い出したら、痛みがないだけで幸せやろ？
痛みがあっても、家や食事があるだけで幸せやん！
家や食事がなくても、生きてるだけでありがたいねん！
……そうですけど……
そもそも、この世の世界は「簡単には幸せになれない環境」が整えられてんねん。
その環境の中でも「幸せになれるか」を学んでるってこと。
言ってることはなんとなくわかりますけど……
つづく
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